電子書籍時代の「正しい」書籍の売り方

f:id:duck75:20100530091623j:image

ページが見つかりません - MSN産経ニュース

iPadで産経新聞を読んでいたんです。それはもう、見やすいです。iPhoneのときは、拡大しても、あの画面サイズですから、紙面のほんの一部しか見られない。でも、iPadなら、大きな画面でストレスなく見られます。すばらしいです。でも、無料期間が終了したら、月額1500円になるらしい。これはいけない。その理由を、当の産経新聞の記事を読んでいて思い当たりました。

上記リンクのエントリーで、音楽の曲が、デジタルなダウンロードで、一曲「バラ買い」されている、ということが取り上げられています。僕はこの記事を読むまで、世間一般の大半の人と同じく、昨今CDが売れなくなったのは、ヒット曲がないからだよなぁ、とか、だいたい、時代を代表するような偉大な歌手がいなくなった、とか、歌手のレベルが下がってきている、とか、はたまた、合法違法含め、ダウンロードする人が増えた、とか、そういうことを漠然と思っていました。

しかし、これを読んで、そういう理由は確かにあるけど、本質はそんなところではない、という思いを強くしました。

昨今売れないのはCDだけではありません。新聞が売れない、雑誌が売れない、本が売れない、テレビが売れない(視聴率が悪い)、若者の〜離れ、などなどです。

で、これも理由として、ネットに食われてしまった、だとか、ネットで無料で読める、だとか、いろいろ言われます。しかし、その理由も、まぁ、当たっているところもないではないけれども、やはり本質ではない、と思いました。

だったら本質は何かと言えば、例えば林さんがその近著で言われているように、コンテンツのマイクロ化、ということだと思います。

人々はもはや、「抱き合わせ商品」には魅力を感じず、それぞれが気に入ったものだけを、主体的に、小分けされたコンテンツから選択して、組み合わせて楽しむ、というライフスタイルに移行しつつあります。

そしてこれは、必然か、たまたまか、ネットのデジタルコンテンツにものすごく向いている、ということだと思います。物理的な制約があると、小分けがコスト面などなどで難しくなるし、また、「検索」という必殺技もデジタルでないと使いにくいです。

例えば僕は、RSSリーダーで、自分が購読したいブログだけを登録して、しかも、その個々のブログのエントリーのタイトルを見て、読むか読まないかを決めています。あるいは、Twitterというサービスでは、フォローしたい人だけをフォローして、自分だけのタイムラインを形作っています。もちろん、タイムラインをすべて追うようなことはしてなくて、リストに分けて、ターゲットをある程度絞ってツイートを追ってたりします。

ことほどさように、「小分け」、そしてそうして可能になる「主体的な選択の自由」というのは大切なのです。

そういう風に考えると、理想的な電子書籍の売り方としては、単に、電子化してリアルな紙の本より安価で売ればいいというものではなく、章ごとに小分けして、それぞれに安価な値段をつけて売るべきです。たとえば、7章ある本が700円だとすると、1章100円で売るのです。

このとき、大切なのは、章ごとのタイトルや要約をつけて、内容がある程度わかるようにすることです。そうすると、目次を見ただけで、この章だけ読みたい、とか、結論だけ知りたい、とかいった、小分け、選択のニーズを満たすことができます。また、1章、2章を読んで、おもしろければ更に続く章を購入する、というように、一冊丸ごと買ってはずれだった、みたいな危険を冒さずに済みます。

さらに、蛇足ですが、いわゆるプロだけでなく、CGMというか、誰が作ったコンテンツであろうと同列に取り込み、ここでもやはりより広い選択の自由を与えるべきです。たぶん、プロでは満たされなかったニーズをそこで満たす人もいるでしょう。

iPhoneとツイッターは、なぜ成功したのか?

iPhoneとツイッターは、なぜ成功したのか?